鍼灸・マッサージ師になるには
「マッサージや鍼灸の免許に興味がある」という人向けのお話しです。
「あん摩マッサージ指圧」「鍼」「灸」の資格は国家資格です。
3年間専門学校(又は鍼灸科がある大学に4年間)通い、卒業後に受ける国家試験に合格すれば免許取得となります。
鍼灸が取れる学校は全国にありますが「あん摩マッサージ指圧」の資格が取れる学校は限られます。
これは、視力障害があるマッサージ師の雇用を守るため、晴眼者(眼が普通に見える人)のマッサージ師が増えすぎるのを抑制する為だそうです。
ですから「マッサージの資格を取りたい人」はあん摩マッサージ指圧の資格が取れる学校を探す事から始めて下さい。
近所にあれば良いのですが、遠くにしか無い場合は引っ越しなども考えなくてはなりません。
学校によって
「あん摩マッサージ指圧」の資格が取れる学校
「鍼灸」の資格が取れる学校
「あん摩マッサージ指圧」と「鍼灸」の両方の資格が取れる学校があります。
どの学校へ行っても3年間通う事になります。
「同じ3年間通うなら全ての資格が取れる学校がいい」とういのが一般的でしょうか。
「あん摩マッサージ指圧・鍼・灸」の全ての資格が取れる学校は数が限られ、入試倍率もほどほどにあります。
受験したい人は事前に調べておいた方が良いでしょう。
学費に関しては3年間で400〜500万円前後です。
「あん摩マッサージ指圧」しか取れない学校だから安いという事はありません(多少安い程度)
この学費を見て諦める人も結構います。
自力で全ての学費を出すなら、学費の半分ぐらは貯金が欲しいところです。
学校に通い始めるとバイトもそれほど出来なくなりますから。
貯金で足りない分は、奨学金や教育ローンを組んで払うとい人が多いですね。あとは、親からの援助とか。
資格を取っても、たいして稼げない商売ですから借金はなるべくしない方がいいですよ。
「専門学校と大学ではどちらがいいの?」と質問される事があります。
個人的には「3年間で取れる資格だから専門学校で良い」と思います。
学校はあくまで基礎を学ぶ場所であり、実際の現場でなければ技術的な事は覚えられないと思いますので。
1年早く現場に出れば、大卒の鍼灸師よりとてつもなく大きな差が生まれます。
「鍼灸の研究をしたい」というような人は大学が良いかもしれません。
学校の選び方
あん摩マッサージ指圧の資格が取れる学校は、昔からある伝統校しかありませんのでどの学校を選んでも大丈夫です。
通学距離や学費などを考慮して、通いやすい学校にすると良いと思います。
関東では呉竹・花田・東洋鍼灸などが偏差値の高い学校と言われてますが、その卒業生でも国家資格に落ちる人はいるので結局は本人のやる気次第です。
鍼灸科では、新設校が多いので学校の差が結構あります。
個人的には、定員割れが著しい学校は避けた方が良いと思います。
こちら ← 学校別国家資格合格者数
はり・きゅうの項目のPDFをダウンロードして下さい
「新卒」の「受験者数」の項目を見て下さい。
あん摩マッサージ指圧・はり・きゅうの1クラスの定員は「30名」と決められています。
留年して卒業出来ない人や、ダブってから卒業するもいるのでピッタリ30にはなりませんが、基本は30の倍数が卒業生数になります。
※卒業生が60人前後なら2クラス、110〜120人前後なら4クラスという事です
新卒の卒業生数を見ると15人前後とか、40人前後の学校が結構あると思います。
これは・・・
・1クラスで15人しか卒業していない
・2クラスで40人しか卒業していない
という事です
留年や退学する人を考慮しても「かなり定員割れしている」という事になります。
学校も経営ですから、「大幅な定員割れ = 売り上げの減少」という事です。
授業内容は法律で決められていますので変わりませんが、経費を削減する為に教師を減らしたりします。
すると、残った教師は自分の専門分野以外の教科を担当させられたりします。
教師と言えども、担当外の教科を教えるのは難しいでしょう。
このような事が起こる可能性があるので、大幅な定員割れしてる学校は避けた方が良いと思います。
※盲学校は、マンツーマン指導の為、卒業生は一桁の人数しかいません
当然ですが、晴眼者(普通に目が見える人)は入学出来ません
※追記
大学の鍼灸科へ入学を考えている人へ
鍼灸科については専門学校・大学ともに、ほとんどの学校で定員割れしています
(あん摩マッサージ指圧が同時に取れるところは、定員オーバーしている学校がほとんどです)
ですので鍼灸科に入学するのは簡単です。
ただし・・・
大学の鍼灸科に関しては「大幅な定員割れ」しているところが結構あります。
「3年間で取れる資格を、わざわざ4年かけて大学へ通う理由がない」と思う人が多いからです。
私が学生の頃に「30名募集の鍼灸科に入学者が3人しかいなかった」という大学がありました。
いい意味でとらえればマンツーマン指導となりますが、生徒の少ない科に多くの専任教師を置くわけにはいきませんので、
「担当科目でない授業を兼任する教師がいる」可能性が出てきます。
4年間を、たった数人の生徒でモチベーションが続くのかも疑問ですし。
国家試験合格率は専門学校よりも大学の方が低いのですが、定員が少ない影響もあるかもしれません。
大学の鍼灸科を考えている人は、よく調べてから決めましょう。